科学的に証明されている6つのうつ病対処法
2022.01.10
こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
インターネットで何でも調べられる今の時代、非常に多くの「こうすればうつ病は治る」「うつ病対処法」と謳う記事等が氾濫してしまっています。残念ながら、日本ではメンタルヘルスのシステムの遅れが顕著で、誰でも心理カウンセラーと名乗れてしまうのが原因で、非常に多くの間違った情報が溢れかえってしまっています。今回の記事では科学的に証明されている正しいうつ病対処法を御紹介致します。
記事中に「原始時代の人間」の話が多々出てきます。それは、原始時代の人間は心の病が全くなかったことがわかっています。彼らと同じ生活スタイルを現代で続ける事は非常に難しいですが、彼らから学べることは数多くあり、それを反映させる事はある程度はできるはずです。
ご注意頂きたいのは、うつ病は立派な心の病であり、耳に異常があれば耳鼻科に行くのと同じように、心の病は心理カウンセラーに診てもらうべきものです。もし対処法を行ったとしても心の健康の向上が見込めない場合は、心理カウンセラーに御相談下さい。
食事
うつ病は脳が正常に稼働できていない事が原因で、解決するには食事が非常に重要です。特にオメガ3をもっと多く摂ることが大事です。現代人のオメガ3とオメガ6の比率は1対16だとわかっています。しかし、原始時代の人間はこの比率が1対1だったので、現代人はかなりオメガ3が足りていないことがわかります。オメガ3の量を増やせばセロトニンとドーパミンを増やすことができ、結果としてもっと幸せを感じられたりモチベーションアップにもつながります。
まずはジャンクフードや揚げ物を食べない事。食材はできるだけオーガニックにする事。そして、オメガ3が豊富な食事(魚、特に天然のサーモンやさば等)が大事です。また、最近の研究でセロトニンを増やすには胃腸を健康に保つことが大事だという事もわかっています。そのためには、納豆などの発酵食品を日常的に食べることも重要です。
運動
原始時代の人間は生きるために常に動いていましたが、現代では全く運動をしない人もいます。研究結果により、有酸素運動がうつ病撃退には効果的であることがわかっています。有酸素運動とは特にウォーキング、ランニング、スイミング、自転車です。実験結果によると30分のウォーキングを週に3回するだけの運動でも、うつ病用の薬よりも効果的であることがわかっています。運動は続けることが重要なので、自分に合った有酸素運動を生活習慣として取り入れましょう。研究結果によれば、うつ病撃退のためには一週間90分の有酸素運動が目安であることがわかっています。
考えすぎる癖(反芻)
原始時代の人間にとって、失敗は時に死を意味しました。つまり、反省し何かを学ぶという事は文字通り死活問題でした。これは現代人の脳にも受け継がれており、脳はネガティブに考えるように(反省するように)できているのです。しかし、ネガティブに考え続けていては次に進めませんが、ネガティブに考え続けてしまうのがうつ病の症状の一つです。
まずは自分が一日にどのくらい反芻してしまっているか、記録を取りましょう。次に反芻してしまっている自分に気づいたら、他の事をしましょう。なんでもいいので、他の行動を取るだけで脳が違う事を考えてくれます。誰かと話したり、音楽を聴いたり、何でもいいので何かしましょう。最後に、反芻を止めるのがどうしても難しい場合は、1日10分だけ反芻していいことにして、それ以外の時間は反芻しないと決めてみるのも効果がでるかもしれません。
人との繋がり
人と会うのを避け一人の時間を増やすのもうつ病の症状の一つです。しかし、実は一人の時間が増えれば増えるほどうつ病を治すのに時間がかかってしまいます。例え気力が上がらなくても友人に会う機会を積極的に作りましょう。
その際、友人に対して自分が落ち込んでいて困っている事を話しても話さなくてもどちらでもいいです。しかし、もし話す場合は落ち込んでいる話ばかりをしないように気を付けましょう。自分の趣味の合う集まりに積極的に参加したり、ボランティアをしたり、動物と接する機会を増やすのもいいでしょう。
日光
原始時代の人間は常に外にいることで日光を十分に浴びていました。しかし、現代人は時には日光を全く浴びない日もあります。日光とうつ病は非常に強い関係があり、日光を浴び足りない事がセロトニンの減少を引き起こし、結果としてうつ病へと繋がりかねません。日中に15分から20分でいいので日光を浴びる事でセロトニンを増加し、うつ病撃退を期待できるかもしれません。また、日光を浴びることは気分を上げてくれることも研究結果でわかっています。気分が上がるともっと社交的になり、前途したようにさらにうつ病撃退に近づいていくことになります。
睡眠
睡眠とうつ病の関係は非常に強いです。個人差はありますが、基本的に人間は一日8時間の睡眠が必要だと言われています。睡眠から脳は一日の疲れを自ら治癒していきます。しかし睡眠が足りないとそれができないため、結果としてイライラしたり、体の痛みを感じたり、ネガティブにしか考えられなかったり、集中できなかったりと心体に異常をきたしていき、うつ病へと繋がりかねません。
健康的な睡眠のために以下の事に注意してみてください。
- ベッドは夜寝る時以外使わない
- 毎日同じ時間に起きる
- 昼寝は避ける
- 寝る前は明るい電気(スマートフォン等)を避ける
- コーヒー等カフェインを避ける
- 夜のお酒を避ける
- 寝る時間を毎日同じにする
- 眠れない場合は30分で諦めて、別の事をしてからベッドに戻る
- 寝るときには反芻し過ぎない
- 部屋を暖かくしすぎない
以上。正しい治療の参考にしていただければ幸いです。
荒川龍也
カリフォルニア州公認心理カウンセラー
出典
Ilardi, S. S. (2009). The Depression Cure. Da Capo Life Long.