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カリフォルニア州公認カウンセラーのブログ

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カウンセリングがうまくいかない理由―大人のクライアントの場合

こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

カウンセリングを受ければ必ず心の病を治せるというわけではありません。うまくいかない理由はいくつか考えられます。もちろんそれはクライアントさんが原因であったり、カウンセラーが原因であったりします。今回は、大人のクライアントさんのカウンセリングがうまくいかない理由を挙げました。

ひたすらアドバイスを求めるクライアントさん

大前提として、カウンセラーはアドバイスをする人ではありません。

人間が悩んでいる時というのは、大きく分けて3つあります。
責任、自由、そして選択です。これら3つのバランスを取りながら人間は生きていますが、それが崩れると悩みになっていきます。責任がありすぎたらストレスで潰れてしまうかもしれませんが、なさすぎる場合はだらけてしまいます。自由がありすぎればだらけてしまい、なさ過ぎれば不満がたまります。選択肢がありすぎても困るし、なさすぎたら辛い。

アドバイスを求める人というのは多くの場合、自分がどういう選択肢があるかというのがわかっています。ただし、それを人に決めてもらう事で自分の責任から逃れようとします。それなのにカウンセラーがアドバイスをしてしまうと、責任逃れを手伝う事になってしまいます。これでは、カウンセリングが終わった後でまた自分で決めれなくなってしまいます。参考にしたいためにアドバイスが欲しい、とよく言われますが、参考にしたいわけではなくて、どうすればいいのか教えてほしい、というのがアドバイスが欲しい人の本音であり、結局は責任逃れです。

さらに、人というのは「〇〇すればいい」とか「□□するべき」というアドバイスをもらってもその通りにはしません。例え似た悩みを過去に持っていたとしても、状況が全く同じという事はありえないからです。悩んだ本人も違うし、その本人の環境も違うし、周りを取り巻く人も違う。つまり、アドバイスというのは的外れなことが多いのです。ですので、アドバイスをしても大抵の場合、その通りにやってもうまくいきません。それでもアドバイスをしてしまうと、クライアントさんはカウンセラーを責めたくなってしまいます。これではクライアントさんが良くなるどころか、カウンセラーとの信頼関係が崩れてしまいます。

これらの理由により、セッション中にアドバイスを何度も求める人というのは基本的にカウンセリングにいずれ来なくなります。

先生と生徒という関係を求めるクライアントさん

日本は昔から生徒は受動的で、教えられたことだけをやればいいという文化です。それが原因でカウンセラーの発言を逐一ノートに取るクライアントさんがたまにいらっしゃいますが、これではカウンセリングはうまくいきません。

たしかに、カウンセラーは心の専門家であり、他の方より心に関する知識を持っている事は事実です。知識だけでは心の健康には繋がりません。カウンセリングが成功する理由の一つにカウンセラーとクライアントとの人間関係にあります。例えば、毎週1回会っていればカウンセラーがクライアントさんの気に障るような発言をしてしまうこともあるでしょう。それをなぜ気に障ってしまったか等、簡単に言えば普通なら「気まずい話」というのを話していく事も大事な事です。会話の流れや雰囲気が非常に重要になります。

それなのに、頻繁に私の発言をノートに取っているようでは自然な会話になっていきません。こういう状況が続いてしまうと、結局クライアントさんは変わっていけなくて、カウンセリングはうまくいきません。

自らの手で自らを変えるのに躊躇しすぎてしまう

カウンセリングとはそもそも今の自分や現状に満足していない人が受けます。つまり変わりたいから受けます。もちろんカウンセリングを受ける方皆さん、変わりたくても変われなくて、もがいていらっしゃる方がほとんどですし、それが普通です。それくらい人間にとって、変わるとはとても難しい事なのです。

それでも、自分や環境を何も変えずに自分に満足できるようにしたいと言う方もたまにいらっしゃいます。こういう希望を持っていらっしゃる方の多くは、残念ながら変えられない他人と環境と過去に固執しすぎてしまっている方が多いです。

人間、変えられるのは自分自身だけです。変えられないものだけに着目し続けていては、いつまでも現状に満足することはできないでしょう。

こんな統計結果が出ています。
カウンセリングがうまくいく理由の50%はクライアントさん、20%がカウンセラー、他30%はその他という結果です。つまり、クライアントさんの努力や頑張りなしではカウンセリングは成功しえないのです。

以上、参考になれば幸いです。


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