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ストップ・ザ・自殺―PART 1―迷惑は悪という日本文化とその自殺への影響力

こんにちは。

カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。


先日、ヤフーに

駅の自殺防止ポスターが撤去される(←リンク)というのがニュースになっていました。撤去された理由は遺族への配慮が足りなかったからとのこと。

そのポスターにかかれていたことは、

「鉄道での自殺は、大切な命が失われるだけでなく、鉄道を利用する多くのひとの安全や暮らしに関わってきます」 だそうです。

 

これに対してヤフーのコメントは

1位が遺族がクレームすること自体が間違っているという批判。

2位が「(このポスターは自殺しようとしている人をさらに)追い込むとか(いう遺族の考えは)一方的な考え」

4位に「これのどこがいけないのか?」

5位に「抑止に効果があるなら撤去する必要がない」

と全体的にポスターの内容への批判はなく、クレームをしたり撤去すること自体への批判が多いことが見受けられます。

心療内科医であるはずのオーサーですら自分の行為が誰かの迷惑になると考えればある程度の抑止力があるはずだと言っていますが。

 

果たして本当にそうでしょうか?

 

まず、どういった人が自殺を試みるかですが、

TIMEという有名な雑誌(←リンク)にも出てますが、自殺をする人の90%がなんらかの心の病で苦しんでいたという研究結果が出ています。これは他の文献を見ても同じようなことが書かれています。

 

本当に自殺しようとしている人の心の病とは主にうつ病や躁うつ病、不安障害やパニック障害が挙げられます。そういった心の病に苦しむ人というのは

「強く孤独を感じている」

「希望が見えない」

「誰も、何も自分の事を助けてくれないという間違った思い込みにとらわれてしまっている」

といった特徴が挙げられます。

 

上記した特徴を持つ自殺しようとしている人というのは、自らの心身のケアすら十分にできる状態ではありません。

そういう人に

「鉄道での自殺は、大切な命が失われるだけでなく、鉄道を利用する多くの人の安全や暮らしに関わってきます」 という暗に「あなたの自殺行為は他人に迷惑を与えます」というメッセージを送ったからといって自殺を止められるのでしょうか?いや、不可能です。

 

自身の心身のケアができないような人が他人の事に気を配る心の余裕などありません。

 

むしろこのメッセージは本当に自殺をしようとしている人の立場からすれば、自殺を助長しているようにとられても不思議ではありません。

「私の命すらも他人の迷惑になってしまうのか?ならば私の存在など意味がない」といったネガティブな考えになってしまいそうな可能性は十分にあります。

 

もちろん、文化的背景も考慮しなければいけません。

日本はとにかく「人に迷惑をかけることは悪」という考えが非常に強く、この昔から植え付けられた無意識レベルにまで浸透しているであろう日本文化に頼ろうとするポスターを作った人の意図は理解はできます。そして、日本ではうつ病などの心の病というコンセプトもここ最近やっと少しずつ理解され始めたばかりなので(アメリカに比べれば悲しいほどまだまだ全然ですが)、ポスターを作った人が心の病に理解がなかったであろうことは想像に難くありません。

 

ですが、元々のポスターの目的が自殺防止なら、その目的は全く達せられないのではないかと考えます。

 

 

次回のブログでも、この件について書いていきたいと思います。

 

注1:日本にいらっしゃる方でこれを読んでいる際に自殺を考えている方は

ここをクリックしてください自殺を考えている人のための機関とその電話番号が載ってます。

 

注2:アメリカにいらっしゃる方でこれを読んでいる際に自殺を考えている方は、すぐに911に電話してください。

 

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