いつカウンセリングを受けるのがいいのか
2018.05.02
こんにちは。
カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
今回はカウンセリングについての間違った認識について書いてみたいと思います。
例えば、体の調子が悪いから、怪我をしたから医者に診てもらいに行くと言うのは当然ですが、特に何も異常がないのに医者に行くことは、普通はありません。
しかし、メンタルヘルスに関しては必ずしもそのアプローチが正しいとは限りません。
今まで連絡をくださって、それでも最終的にはカウンセリングを受けることを敬遠された方々が多く言われることに
「今は安定しているから大丈夫」「今はまだカウンセリングを受けなくても大丈夫」
というのがあります。
果たしてこれは正しいのでしょうか。残念ながら、メンタルヘルスの場合は、症状がない(ように見えるもしくは思える)からカウンセラーに会わない事が最良の選択肢というわけではありません。
例えば、重度のうつ病の場合、一番自殺の確率が高まるのが一番落ち込んでいる時ではなく、一番落ち込んでいる状態から少し上がってきた時だという研究結果が出ています。これは一番落ち込んでいる時というのは自殺をする気力すらないのですが、少し元気が出てきた時ですと、自殺をする気力があるからです。
メンタルヘルスの問題というのは、「○○が起きたからうつ病になった」「○○のせいで不安になりやすくなった」という単純なものではなく、多くの原因が重なった結果です。それは生まれた時の親の接し方だったり、過去のトラウマだったり、食事が影響していたり、本当に様々です。それら多くの事がたった数日や数週間で良くなると言う事は、残念ながらなかなかありません。ですから、元々長い間メンタルヘルスの問題があったのに、たった数日や数週間安定しているから今後も大丈夫と結論付けるのはむしろ危険です。そして、放っておけば残念ながら悪化する可能性は高いです。
悪化してからカウンセリングを受け始めるよりも、安定してる時にカウンセリングを受け始める方が良いです。なぜなら、悪化した状況からカウンセリングを受ける場合、カウンセラーはまず状況を安定させるための手助けに集中しなくてはいけないので、問題の根本の治療を開始するのに時間がかかりますが、安定している状態でカウンセリングを受け始めれば問題の根本の治療をすぐ開始することができます(もちろん初回でいきなりそれをすることは不可能です)。
理解して頂けましたでしょうか。
1年に一度定期健診を受けるのと同じ感覚で、少しでも受けた方が良いのかもしれないと思われたら、御連絡して頂けると必ずや力になれることと思います。
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