子育ての心理学9―親ができること その2
2018.04.18
こんにちは。
カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
以前のブログで、「親ができること」と題して具体的に何ができるかを書いてみました。今回の記事も親ができることに関してです。
以前のブログでも申し上げた通り、子どもがカウンセリングに来る大半の場合が、親にも原因があり、親が変わらないと子どもが変わる可能性が極端に低いです。ですから、理想としては子どもは子どものカウンセラーにカウンセリングを受け、親は別のカウンセラーからカウンセリングを受けることです。こうすることによって、親が変われる可能性が格段に上がり、さらに子どもの変化が望めます。しかし、様々な理由から、現実には親もカウンセリングを受けるというのはかなり稀です。それでも、親が変わらないと子どもが変わる可能性が低いので、親も何かしなければいけない。では何ができるかというのを、今回書いてみたいと思います。
よく「自分を見つめ直す」事が自分を変えるための最初の一歩だと申し上げてきました。これは親にも同じことが言えます。子どもがメンタルヘルスに関する問題を抱え始めたのは、たくさんの原因が影響しあった結果ですが、その一つに必ず親のしつけや親が子どもとどう接しているかがあります。それを変えることで、子どもの変化が望まれます。そして、それを変える方法が「自分を見つめ直す」ということです。
この作業は実はかなり大変で苦しいです。例えば親のしつけに問題がある場合、なぜそれが問題なのかを考えます。躾の仕方というのは、基本的に自らの親を見てそれを真似ることが大半です。自分の親にされて嬉しかったこともあれば、反対にトラウマになるほど嫌だったこともあるでしょう。残念ながら「自分を見つめ直したことがない」親というのは、自分の親にされてトラウマになるほど嫌だったことを、自分の子どもにそのまましてしまっているケースがほとんどです。そのことについて、見つめ直します。何が嫌だったのか。どういう気持ちになったのか。それがどう行動やその後の決断や今の自分に影響したのか。それがどう今の自分の子育てに影響しているのか。かなりつらい作業ですが、自分の事がもっと理解でき、自分を許せるようになり、そして躾の仕方を変えていく第一歩になります。
例えば、家のルールがまるで軍隊のように厳しい家があるとします。親は学歴にコンプレックスを持っており、子どもには必ず大学を出てほしいと言う考えがあるとしましょう。毎日帰ってきたら勉強勉強の繰り返しで、勉強していない時は家事の手伝いを強制させられる。これもまた親が小さい時から何でも一人でやり一人で生きていかなくてはいけない状況だったからとしましょう。
この親ができることはまず自分を見つめ直すことです。確かに大学を卒業することは大事なことですが、子どもの特権であるはずの遊びを排除してでも勉強を強いるべきでしょうか。例え大学に行けたとしても、このような躾の仕方ではメンタルヘルスに関して問題を抱えるのは遅かれ早かれ明らかなことです。また、たしかに一人で生きていくためには家事をさせることは大切ですが、果たして軍隊のように強いてまでさせることでしょうか。この例は明らかに子どもがメンタルヘルスに問題を抱える理由は親であることがわかります。なぜ自分は学歴にコンプレックスを抱えているのか。なぜそのような状況になってしまったのか。なぜ一人で生きていかなくてはいけなくなったのか。これらを見つめ直すことで初めて自らの内なる変化が始まり、それは行動の変化を導き、そして最終的には躾の変化になります。
いかがでしたか。もし、カウンセリングを受けられるのであれば、もちろんそれをお勧めします、なぜならカウンセリングを通じて一人では辛く難しい「自分を見つめ直す」という作業をカウンセラーと一緒にできるからです。しかし、カウンセリングをどうしても受けられない場合は、勇気を出して御自身を見つめ直すことを強くお勧めいたします。
もし躾の向上の為に御自身を見つめ直したいと言う方は下記までご連絡下さい。
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