子育ての心理学 11-結愛ちゃん事件から全ての親が学ぶべきこと
2018.07.03
こんにちは。
カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
なんとも残虐な事件が起きてしまいました。
両親の虐待により5歳の女の子が亡くなってしまいました。
様々な事がネットに書かれていますが、
このブログではこの事件から全ての親が何を学べるかにフォーカスしてみたいと思います。
1しつけと虐待の違い
一番大事な事の割には、一番見逃されがちなのがしつけと虐待の違いについてです。
わかりやすい簡単なルールはこちらです。
暴力を振るう(叩く、殴る、蹴る)=虐待
暴言や怒鳴る(「お前はダメだ」等、罵る・卑下する言い方)=虐待
です。
例えチョンと小さく叩くだけでも、それは虐待と考えたほうがいいでしょう。
「ダメなことをしたからわからせるため」「危ない事をしたので、今後してほしくないから」
といった学ばせるためであると親御さんからよく聞きますが、
残念ながら叩いて(もしくは大小関わらず他の暴力的行為)学ばせようとしても、
長期的な効果はないどころか、他の面に置いてネガティブな効果を及ぼすだけです。
暴力・暴言でしつけをする親は、効果的なしつけのやり方を知らないだけであり、それを学ぶべきです。
2自分がどのように親にしつけ・教育・虐待されたかが子育てに大きな影響を及ぼす
結愛ちゃん事件では、父親が虐待していたにもかかわらず、母親は見て見ぬふりをしていた事から両親の間にDVがあった可能性が疑われます。残念ながら、母親の親(結愛ちゃんの祖父母)もDVもしくはそれに準ずる行為(極度に父親の言いなりになる母親、父親の母親に対しての言葉の暴力など)があった可能性が高いです。また、結愛ちゃんの父親の虐待も、残念ながら父親が自らの両親から学んだ可能性が高いです。
しつけや子育ての仕方というのは、親から子へ受け継がれていくものです。
親はこの事を自覚し、自らの親にされた悪い子育ての仕方は絶対にやらないという信念と、
効果のある正しいやり方を学ぶことが大切です。
3自分自身の問題が反映
親は子どもに自分ができなかった事や成し遂げられなかった事を(意識的にOR無意識的に)押し付けることがよくあります。
そしてこの原因は「今の自分に満足していない」ことが大きな理由であることが多々あります。
結愛ちゃんの両親の事をクライアントとして診たわけではないので、ここからは憶測にすぎませんが、モデル体型にするために食事を満足に与えなかった事、また朝4時に起きてひらがなの勉強をさせていたことなどから垣間見えるのは、両親とも今の自分や人生に満足していなかったことでしょう。その結果として、子どもを自分自身の評価のためのツール(道具)として捉えていた可能性が高いでしょう。
これは自分自身の問題と向き合い、その問題解決のために努力することで
自分自身の子どもへのアジェンダを押し付けないよう自制することができるようになります。
例えば私の場合、2歳の子どもがいます。私は小さい頃は人と関わることが苦手であっため、自分の息子にはたくさん友達ができてほしいと願います。しかし、それを強制しようとし、子育てに反映してしまっていることに気づいてからは、常に意識することで自制することができています。
以上、3点を簡潔に説明させて頂きました。
これらは決して他人事ではなく、誰にでも起こり得ることです。
ぜひ今日から気をつけてみて下さい。
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