なぜAIにカウンセリングはできないのか(2)
2025.08.28
こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラー(LMFT)の荒川龍也です。
前回の記事では、なぜAIにはカウンセリングができないかをお話いたしました。
今回の記事も引き続き、なぜAIカウンセリングは成り立たないかをお話いたします。
4 AIの管理は人間のようにはできない
まず、アメリカではカウンセリングをするには資格が必要で、その資格を取るのも簡単な事ではありません。これはアメリカやヨーロッパなどの精神医療・心理学先進国の国では当たり前の事であり、日本のように誰でも心理カウンセラーと名乗れてしまう事が問題なのです。
そんな精神医療・心理学先進国のアメリカの資格管理は徹底していまして、罪などを犯せば場合によっては資格はく奪もあり得ますし、例え軽犯罪で資格はく奪はなくとも、かなりの罰則(高額な罰金や講習時間等)を受ける事になります。それくらい、心理カウンセラーであるという事は、生活の仕方ですらも高い倫理観を求められるのです。考えてみれば当然の事です。クライアントは多くの場合において、人生のどん底にいるときにカウンセリングを求めるので、カウンセラーはクライアントの人生を一緒に背負ってあげるようなものだからです。
しかし、ロボットに感情は無いので、そのような責任感はありません。よって、全くもって助けにならないようなことでも発言してしまい、大惨事を引き起こしかねません(実際に、AIが言ったからという理由で犯罪に手を染める人も出てきているのです。それらはまた次回の記事でお話いたします)しかし、国がロボットを人間と同じように管理することは難しく、例えロボットがクライアントの心の病を悪化させていたとしても、何の御咎めもできません。なぜならAIは他にもコピーをいくらでも作れてしまうからです。
5 カウンセリングはただクライアントの話を聞くだけではない
カウンセリングを受けている際に、クライアントが一番成長できるのは、あまり直視したくない問題について頑張って考えるときです。そのためには、カウンセラーも時にはクライアントが聞きたくないようなことを言わなくてはいけないのです。しかし、ロボットにはそのようなことはできません。さらに、AIはクライアントの都合の良いようにしか答えません。よって、ただの一時しのぎにすぎない返答しかロボットには出来ないので、カウンセリングにはならないのです。
6 感情が発生していない限り、心は治せない
最後に、例えクライアントが聞きたくないようなことをAIが言えたとしても、結局人間がAIと接するときには、人と接するときに発生する何かが抜けています。それは、感情です。そこにいるのは人ではないため、どうしても人に対して感じる時ほど、感情が沸きません。しかし、心が健全になる治療の過程というのは、カウンセラーとの感情の交換が何度も行われて初めて健全になっていくのです。しかし、AIに対して感情が人間ほど沸かない以上、高ぶる感情の交換はされず、結果としてそれはカウンセリングにはならないのです。
以上、参考にしていただければ幸いです。
荒川龍也
カリフォルニア州公認心理カウンセラー(LMFT 82425)