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カリフォルニア州公認カウンセラーのブログ

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海外生活の難しさ―子ども編 (2) 海外駐在員とその家族の心の健康 (5)

こんにちは。カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

前回の「海外生活の難しさ―子ども編 (1)~海外駐在員とその家族の心の健康 (4)では、親の思い込みがどれくらい子どもを苦しめてしまうかをお話ししました。今回もまた、子どもにとっての海外生活の難しさについてお話いたします。

子どもがアメリカ(海外)で長く生活することで、子どもと親との間に文化のギャップが生まれる事が頻繁にあります。これはよほど親がアメリカ(現地)の文化を取り入れていなければ必ず起こってしまいます。そして、これが子どもの心の病の原因の一つになるのです。なぜなら、親に理解してもらえるという感覚を得ることが非常に難しくなるからです。

文化の違い

異国の地に移る事で人間はその地の文化に適応しようとします。その文化の適応には4つの種類があります。

  1. 異国の地の文化も自分の主な文化も、両方の文化を取り入れている
  2. 自分の主な文化のみを維持し、異国の地の文化を取り入れない
  3. 異国の地の文化を自分自身に取り入れ、自分の主な文化を否定する
  4. 自分の文化も異国の文化も否定する

非常に多くの場合において、親は2番(もともとの自分の日本文化が強く、アメリカ文化を取り入れていない)です。子どもの場合、在米歴が長ければ長いほど、よほどの事が無い限り、子どもの主な文化はアメリカ(親にとっての異国の地の文化)になります。この違いは、文面上では小さいように見えても、非常に大きな違いです。非常に細かい場面で生活に現れ、子どもの心を蝕んでいってしまいます。

小さい時に親を超えてしまうという事の悪影響

まず、親が英語ができないことがよくあります。この場合、学校の事から生活の身近な事まで小さな頃から子どもが親を助けるという図式ができてしまいます。これは親が自分の母国語を使える場所(日本)に住んでいたとしたら起こらない事です。

この図式は様々な悪影響を及ぼしてしまいます。例えば、親が英語(居住地の母国語)ができず子どもが助けなければいけない場面が多いということで、子どもの親へのリスペクトがかなり失われてしまいます。この結果、子どもが早い時期から反抗的な態度を示しやすくなります。さらに、困った時に親に相談しずらいという結果にもつながりやすく(言語のせいで親には頼れないものと子どもは思いがち)、心の病の原因・遠因になりがちです。

わかってもらえないという辛さ

さらに、文化のギャップが原因で、自分の文化を理解してもらえないというのは、自分自身を理解してもらえていない事と同義になります。例えば、日本で生まれ育った人に比べて、アメリカで生まれ育った人の方が、オープンな考えを持つ傾向があります。最近でいえば、LGBTQを受け入れやすいように見受けられます。しかし、親があまりオープンな考えを持てなければ、子どもはそれを親の言動から感じ取り、そういったことに関して話しずらいと感じてしまって当然です。

この辛さは、心の病の原因になりやすいだけではなく、心の病の治療をも非常に難しくさせます。なぜなら、子どもの心の病の治療に親の子どもの理解が必要不可欠だからです。

逆に言えば、親と子供の文化の違いが狭ければ狭いほど、子どもを理解しやすくなりますので、子どもも心の病にもなりにくくなりますし、なったとしても治りやすいです。

 

以上、正しい知識を得て頂ければ幸いです。

 

 

荒川龍也
カリフォルニア州公認心理カウンセラー

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アダルトチルドレン専門の心理カウンセラーとして、多くの方に心理カウンセリングを提供していく中、多くの方から「生きづらさ」について御相談頂いている事がわかりました。しかし、日本の心理学の大幅な遅れが原因で間違った情報がインターネットやSNSであたかも正しいかのように扱われ、それが原因で「生きづらさ」がさらに悪化してしまっている方も非常に多く見受けられます。

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