うつ病は付き合うものではなくて、治すもの
2026.07.26
こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
先日ある動画で、日本の有名人が日本の精神科医と話しているのを見かけました。その有名人のうつ病体験談が話されていたわけですが、残念ながらそこにもまた日本の心の病に対する理解の遅れが見受けられました。
それは
うつ病は付き合っていくもの
という考え方です。うつ病との付き合い方が分かったと語る有名人に、精神科医はそれを称えていました。
シンプルに、違います。うつ病は付き合っていく病気ではありません。
うつ病とは、ほとんどの場合、適切な治療で治る心の病です。そして、適切な治療というのは多くの場合において、カウンセリングだけで十分なのです。以下がその理由になります。
1 孤独感の解消
カウンセラーの大きな役目の一つが、「クライアントさんをありのままで受け入れる」事です。クライアントさんが話をしてくださる中、様々な方法で話を聞いているというメッセージを示します。話の内容にも「良い」や「悪い」で判断したりすることなく、アドバイスもすることなく、クライアントさんを受容します。そのプロセスを経てクライアントさんは、「自分は受け入れられている」という感覚が少しずつ芽生え、セッションの回数を重ねれば重ねるほど、その感覚が強くなっていき、それが孤独感の解消に繋がります。
孤独感はうつ病には非常に重要なポイントです。なぜなら、うつ病の主な原因の一つが孤独だからです。まずは、カウンセラーと会う事で孤独ではない事を感じていく。すると、人と繋がりたいという気持ちが自然と生まれてきます(なぜなら、人間はそういう風にできているからです)。その気持ちに従ってあげる事で、自然と人とまた繋がろうとしていくのです。人とのつながりはうつ病の治療に最大の武器の一つなのです。
2思考と行動のパターンを理解する
カウンセラーが何度もクライアントさんのお話を聞き、そのお話を自分の耳で聞き、カウンセラーの要約を聞くことで、クライアントさんは自分の思考や行動のパターンに気付いていきます。それに気づいていくことで、変えたいものは変えようと努力していき、それを繰り返していくことで、うつ病の原因と向き合い、治療へと繋がっていきます。
3 過去の経験がどのように今の自分に影響してしまっているのかを理解する
現在の問題は必ず過去と繋がっているので、現在のうつ病が過去の何かと繋がっているかをまず理解することが重要です。何に困っているか、どのようなうつ病の症状なのか、なんでもいいので、カウンセリング中に話をして頂く事で、カウンセラーとクライアントさんが一緒に探していきます。少しずつ、本当に少しずつではありますが、過去の何が今に影響しているかを理解していくことで、少し違った自分が見えるようになります。例えば、過去の○○という出来事は確かに大きな影響を過去の自分に与えたが、今の自分にまでその出来事が影響を与える必要はない。といったように、過去の今への影響を理解することで、今の考え方や行動が変わっていき、それがうつ病の完治に繋がっていくのです。
このようにカウンセリングを通じて、うつ病の治療が可能なのです。
では、なぜ日本では「うつ病と付き合っていく」という考え方が理想とされるのか。
それは、精神医療の遅れにより多くの精神科医が、患者にあまり時間を割かないがゆえに誤診や間違った薬の処方が多発してしまっているから。そして、心理学の遅れにより正しいカウンセリングが浸透していないから。これら二点が理由となります。
以上、正しい理解をして頂ければ幸いです。
荒川龍也 LMFT #82425