AIは心の状態を悪化させてしまうこともある!(うつ病編)
2026.06.18
こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラー(Licensed Marriage and Family Therapist)の荒川龍也です。
前回の記事では、不安障害や不安・心配になりすぎてしまいがちな方がAIに頼ってしまう事で、悪化させてしまう事についてお話しました。
今回の記事では、AIに頼りすぎてしまう事でうつ病がどのように悪化してしまうかについてお話しします。
うつ病の原因は非常に多くの場合において人間関係ですが、そのうつ病を治すためには健全な人間関係が必要不可欠なのです。しかし、AIに壁打ちばかりしていても健全な人間関係を構築できるわけではありません。もちろん、健全な人間関係の構築は簡単ではありません。常に試行錯誤の繰り返しになります。さらに健全な人間関係とは、他人ばかりを優先していても成り立ちません。自分の主張や気持ちを話したりすることも重要です。つまり、それだけ面倒くさい作業なのです。しかし、その面倒くさいことが人間にとって大事な事なのです。
それを面倒くさいからといって避けてしまい、AIに頼りすぎる事によってAIとあたかも人間関係が築けたと勘違いしてしまい、余計に家の外での健全な人間関係を求めなくなってしまいます。これは一時的にはうつ病症状の緩和が見込めますが、長続きはせずに結果として悪化させてしまう原因になります。
それもこれもすべて、AIは人ではないからです。人と人とのやり取りとは、感情と感情の交換をしあうことの連続なのです。嬉しい感情も、悲しい感情ですらも感情の一部であり、悲しい感情ですらも人を形作る大切な一部なのです。影がなければ光も存在できないのと同義なのです。
AIはあなたの感情に寄り添っているように見せて、実はあなたの感情には寄り添っていません。なぜなら感情が無いからです。いつでもあなたの思う通りに動くことが寄り添うということではないからです。そもそも、常にあなたの言うことを聞くだけの関係は人間関係とはいえません。
AIをサプリメントのように使用することは問題は無いでしょう。どうしても今すぐに自分の気持ちを整理したいということもあるでしょう。そんな時にAIは確かに便利なツールではあります。しかし、人間は楽な方法がそこにあればどうしてもそちらに流れてしまうものです(例えば、人間に話を聞いてもらうとなると、どうしても相手の反応とかも気にしなくてはいけないので、一方的に話すという事が難しくなります)。「あまり頼りすぎない」と始めから線引きして、自分の行動を時々省みないとどうしても頼りすぎてしまうことになってしまうでしょう。
以上、AIが助けにならないどころか、うつ病を悪化させてしまう事についてご説明差し上げました。
カリフォルニア州公認心理カウンセラー (Licensed Marriage and Family Therapist #82425)
荒川龍也