不登校(4)-不登校と不安障害
2025.05.31

こんにちは、子ども&中高生専門 カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
過去何回かにわたって不登校と心の病の関係についてお話しさせて頂きました。
過去の記事に関しましては以下を参考にしてください。
不登校と分離不安
不登校と反抗挑戦性障害
不登校とうつ病
今回の記事では、不登校と不安障害についてお話いたします。
不安障害とは
人間はまだ起こってもいない事について不安になるようにできています。よって、不安になる事は問題ではありません。しかし、不安になり過ぎてしまい、生活に影響が出ているようであれば、それは通常誰しもが経験する不安な状態ではなく、不安障害と診断されてしかるべき状態と考えたほうが自然でしょう。
生活に影響が出るというのは、不安障害の場合以下がよくある例です。
・寝つきにくい、途中で目が覚めやすい、眠れない
・なかなか落ち着けない、落ち着きが無い
・集中できない
・イライラしやすい
・肩や首などのコリがいつもより酷い
・身体的な理由ではない腹痛
不安障害と不登校
不安障害と不登校の関係は様々です。
自分が周りにどう思われているのか不安になりすぎた結果としてそもそも学校に行くのを拒否するというのはよくある例です。また、学校での成績やパフォーマンス等に関して不安になり過ぎ、不登校になる事もあります。さらに、親の期待過多によって、子どもが親の期待に応えられるか不安になり過ぎ、不登校になる事もあります。
実は私も一部クラスを不登校でした。専門家になった今考えてみれば、私は不安障害だったといえるでしょう。「馬鹿にされるんじゃないか」「どう思われるのだろう」という不安が強すぎたのです。
保護者に何ができるか
過去の記事でも何度も申し上げている通り、子どもの心の病の原因は家庭に起因します。また、不登校というのは心の病の症状の一つであり、不登校児は心の病に罹患していると捉えたほうが安全です。さらに、多くの場合において、親が変われば子どもは変わっていくことができます。よって、まずは親の子どもとの接し方を見直しましょう。特に見直すべき点として、親が不安になり過ぎていないかです。子どもが不安になり過ぎててしまっているほとんど全ての場合において、保護者のどちらかもしくは両方が不安になりやすいです。子どもは親の背中を見て育つので、保護者自身が不安との向き合い方を見直す必要があります。
さらに、保護者が不安になり過ぎる傾向がある場合、子どもの不安を例え不安になって当然の不安だっとしても、苦しみと勘違いしてしまい、その不安を取り除こうとしすぎる保護者がよくいます。その結果、子どもは「不安な事があれば親が取り除いてくれる」と勘違いしてしまい、不安との健全な向き合い方がわからないまま育ってしまいます。これが不登校の原因である事も多いので、まずは子どもが不安な場合、自分で不安と向き合えるような導き方をしてあげたほうがいいでしょう。
最後に、話を聞いてあげましょう。話を聞いてあげて、原因が何なのか、何に不安になり過ぎてしまっているのかを理解してあげて、それを示してあげない限りは、問題解決には繋がりにくいでしょう。
もし保護者が変わる努力をしても改善がみられないのであれば、心理カウンセラーに連絡することが望ましいでしょう。
次回も引き続き不登校と心の病についてお話いたします。
荒川龍也
カリフォルニア州公認心理カウンセラー(Licensed Marriage and Family Therapist #82425)