不登校(1)ー不登校の定義と、心の病との関係
2025.02.05

こんにちは、子ども&中高生専門のカリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
以前から不登校についてのご相談をよく頂くので、今回の記事から何回かにわたって、今まで多くの不登校児にカウンセリングを提供し解決のお手伝いをさせて頂いてきた経験と知識をもとに、不登校についてお話ししたいと思います。
まず、不登校の定義ですが
連続して何日か休む子どももいれば、ある日は休むけども次の日は学校に行き、また数日休む等ランダムに休んだりする子どももいます。また、ある特定のクラスのみ休む子どももいます(私自身は中学時、特定のクラスに行くことを拒否しておりました)。人や国によって定義は違うかと思われますが、私はこれら全てを不登校と定義づけてお話しさせて頂きたいと思います。なぜなら、風邪等の休まざるを得ないから休むという理由以外は、全て心の状態が関係しているからです。
では、なぜ不登校になるかについてお話ししたいと思います。原因を理解するためには、不登校の理解に必要不可欠な事実を御理解して頂く必要があります。それは、
不登校は心の病の症状の一つ
という事です。
不登校になるすべての子どもは、なんらかの心の病で苦しんでいます。そして、どの心の病になっているかでなぜ不登校になっているのかが理解しやすくなります。
以下、代表的な不登校の子供がなりがちな心の病です。
分離不安
反抗性挑戦性障害
うつ病
不安障害・パニック障害
ニューロダイバージェント(自閉症・ADHD)
(順不同)
今回の記事では分離不安と不登校との関係についてお話いたします。他の心の病は別の記事でご説明いたします。
分離不安と不登校
分離不安とは子どもがどこかに行く際に、親から離れるのが難しく、結果として生活等に支障が出る心の病です。多くの場合において幼稚園児や小学校低学年の子ども等が発症しますが、稀に小学校高学年の子どもも発症することはあります。また、学年が変わった直後や、幼稚園から小学生に上がったばかりの時など、変化が起こるときにみられがちな心の病です。
この心の病の原因は多くの場合において、子どもの年齢に合った自立レベルまで子どもが達成できていない事です。例えば、4歳であれば○○が一人でできるようになって然るべきなのに、それを親がさせていないといった具合です。こういった場合、親御さんが心配し過ぎてしまっていることがほとんどです。実際に、私が今まで診てきた全ての分離不安のケースでは、親御さんのどちらかが不安障害の心の病の診断名がつくレベルで不安になり過ぎてしまっている親御さんでした。
分離不安と不登校の関係は非常にわかりやすく、子どもが親から離れるのが不安になりすぎてしまった結果、学校に行くことを拒否するのです。
次回も引き続き不登校と心の病についてお話いたします。
荒川龍也
カリフォルニア州公認心理カウンセラー(Licensed Marriage and Family Therapist #82425)