Blog

カリフォルニア州公認カウンセラーのブログ

長年に渡る経験に基づく意見や
メンタルヘルスについて日々考えることを綴ります。

荒川龍也 LMFT 米CA州公認心理カウンセラー > blog > うつ病 > ストップ・ザ・自殺―Part 4―あなたができること

ストップ・ザ・自殺―Part 4―あなたができること

こんにちは。

カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

 

前回のブログではなぜ日本では自殺を防止することが大変難しいのかを書きました。

ストップ・ザ・自殺 PART 4。このシリーズの最後は、自殺を考えている人の家族や友人が何ができるかについて話したいと思います。

 

A. 自殺を考える人に対しての理解を。

 

まず一番最初にできることは、理解を深めることです。よく 「根性が足りないから」 「心が弱いから」 「まじめすぎるから」 「考えすぎるから」などと、「○○がダメだから」といったことを口にして自殺を考える人に対しての理解の乏しさを露呈する人がいますが、これらの理由付けは全て間違っています。沢山のファクターが絡み合って自殺を考え始めてしまうのであって、上記の理由だけででそうなるわけではありません。

 

B. サインを見逃さない事

 

自殺を考えている人というのは必ずそれを匂わすサインを出しています。以下がその代表例です。

  1. 自殺、自傷行為の話をする―「生まれてこなければよかったのかもしれない」
  2. 自殺をするためのツールを探す―薬やナイフといったツール
  3. 死についての関心が高まる
  4. 未来への希望がない
  5. ひどい罪悪感に苛まれる、自分自身の価値観が見いだせない―「自分なんかいなくなったほうがいい」
  6. .お酒の量が増えたり、危ない運転をしたりとリスクのある行動が増える。

C. 話を聞くこと。

 

自殺を考えている人は、考えているからといって絶対に自殺をするというわけではありません。助けを待っているのです。その助けとは話を聞いてあげることなのです。

 

以下が話を聞いてあげるうえで大切な「するべきではないこと」と「するべきこと」です。

 

するべきではないこと

1.「辛いのはわかる、でも。。。」といった、否定をする話し方。

 

非常に多くの人がこういう話し方をするのを何度も聞いてきましたが、これは逆効果です。悩んでいる人にこういう話し方をしても、「でも」以降の部分しか聞こえてきません。これでは「自分の事をわかってもらえない」と思い、自殺を実行する可能性は高まるばかりです。

 

2.「○○するべき」 「○○すべきじゃない」といったアドバイスを与えること

 

話を聞く側がなぜアドバイスをあげたがるかわかりますか?それは助けたいという気持ちが先行し過ぎて、相手の事を考えられなくなっているからです。助けてあげられないと、助けてあげられなかった罪悪感と向き合わなくてはならず、それは決して気持ちのいいものではありません。その気持ちを避けるために人はアドバイスをしたがります。また、アドバイスを与えることによって「助けた気」でいられることは気持ちのいいものです。しかし実際はアドバイスをもらってそれが助けになることはありません、なぜなら基本的にアドバイスというのは的外れなものなのです。つまり、アドバイスを与えることは逆効果で、与えることによって、アドバイスをもらった側はわかってもらえてないという気持ちになってしまい、自殺を実行する可能性は高くなってしまいます。

 

3.「ごめんね、私が悪かった」と自殺を考えている本人に対して許しを請う発言。

 

自殺を考えている本人は、他の人の事を考えている余裕はありません。そんな人に許してもらおうとしても意味がないどころか、さらに自殺を実行する可能性が高まります。

 

してあげるべきこと

1.話を聞くこと。

 

絶対に否定せず、アドバイスもせず、許しも請わず、ただただ話を聞いてあげてください。大切な人が自殺を考えているという事を知るだけでも辛い事ですが、その話の内容を聞くというのはもっとつらいことです。ですが、相手が求めていることは話を聞いてもらう事です。何を考えて、どうして自殺を考えるようになってしまったのかなど、相手が話したいことを聞いてあげることで、わかってもらえたと思えることが大事です。そう思えることで、自分は一人ではないと感じられ、前へ進むことができます。

 

2.未来には希望が必ずある

 

「根拠はないけれども、なんとかなる」 「一緒に問題を解決していこう」そういった姿勢を相手に見せ、今はつらいけれども必ず何とかなる、そして何とかなるまで一緒に頑張っていくんだということを相手に伝えましょう。一人ではない、必ず誰かがそばにいてくれるというのを理解できることが大切です。

 

 

以上、簡単ではありますが、家族や友人が自殺を考えている人に対してできることをまとめてみました。何か質問があれば下記までよろしくお願い致します。

 

 

荒川龍也カウンセリングルーム

424-254-8823

japanlatorrancecounseling.com

tatsuya.arakawa.lmft@gmail.com

24050 Madison St Suite 210

Torrance CA 90505

 

参考ウェブサイト

https://www.helpguide.org/articles/suicide-prevention/suicide-prevention.htm

 

 


 

アダルトチルドレンに関しての無料メールマガジンを発行しています。

今なら『アダルトチルドレン チェックリストと生きづらさの緩和のために気を付けるべき5つの事』について解説したビデオと登録者限定の7⽇間メール講座『アダルトチルドレン脱却に⽋かせない正しい⾃⼰理解』を無料プレゼント!