ニューロダイバージェントの特徴と対策 2
2024.08.09
こんにちは カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
以前、ニューロダイバージェントの特徴と対策という記事では、ニューロダイバージェントの特徴の一つである「環境の変化の適応が苦手」ということについてお話いたしました。今回の記事では、その特徴に対して具体的に何ができるかについてお話いたします。
まずは、環境が変化したことが原因で生活に支障が出ているかについて見極める事が大事です。支障とは、例えば集中できないやイライラしやすいなどの不安障害の症状や、睡眠障害や落ち込んでいるなどのうつ病の症状などがあります。これらの支障が出ているのであれば、できるだけ早めに対処していくことが大事でしょう。逆に、支障が出ていないのであれば、現時点ではそこまで大きな問題ではないと考えていいかもしれないので、注意するだけでいいでしょう。ただし、ここで気を付けて頂きたいのが、人によっては支障が出ているにもかかわらず気づいていなかったり出ていないと思い込んでいたりします。そういった場合は周りのサポートが重要になってきます。
では支障が出ている場合、本人が具体的に何ができるかについてお話ししたいと思います。
- 受け入れる事
まずは問題を問題として受け入れる事です。
決して簡単な事ではないです。もっと言えば受け入れる事自体はかなり難しい事です。それと同時に、問題を問題として受け入れなければ解決しようというスタンスにはならず、多くの場合において問題はないと思い込もうとし、辛い気持ちを押し殺そうとします。しかし、そうしたからといって問題が消えてなくなってくれるわけではないので、辛い日々は続いていきます。残念ながら、こういった問題というのは放っておけばおくほど悪化していってしまうものですので、受け入れなければさらに苦しくなってしまうのです。
- 辛いことは当然の事
ニューロダイバージェントにとって環境の変化は好ましい事ではありません。たとえそれが昇進などのポジティブな変化であったとしてもです。よって、「こんなことで苦しんでいてはダメ」と自分をいじめるのではなくて、「苦しくて当然」だと自分を包み込んであげる事も重要です。決してこうしたから苦しみを感じなくなるというわけではありませんが、緩和は期待できます。
- 好きな事をする
環境にすぐに慣れなくてはいけないというプレッシャーからか、好きな事をする時間を持たないニューロダイバージェントが非常に多いです。しかし、苦しい時だからこそ好きな事をするのは非常に重要です。なんでもいいので、少しずつでいいので、好きな事をする時間を持ってみましょう。
- 助けを求める
一人で問題を解決しようとしてもなかなかうまくい事はありません。まずは信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。できるだけ自分がどういう事で苦しんでいるかについて、オープンに話してみましょう。話をするのが難しいという事であれば、楽しい時間を過ごしましょう。
- 生活習慣を見直してみる
生活習慣を正せば、苦しみが消えてなくなるというわけではありません。それと同時に、生活習慣を正せば、苦しみが緩和されることもよくあります。例えば、眠りにくいにも関らずカフェインを一日に摂りすぎているのであれば、それは眠りにくくて当然です。そういったところから見直してみてもいいでしょう。
- 専門家の助けを求める
とは言っても、例えば睡眠障害の原因がうつ病なのだとしたら、それは生活習慣を正そうとしたからといって、すぐに正せるものではありません。支障がある程度の期間続いてしまっていて、御自身で色々試したけどもあまり改善が見られないのであれば、専門家から助けを求める事が重要でしょう。
以上、正しい知識を得て頂ければ幸いです。
カリフォルニア州公認心理カウンセラー
荒川龍也