アダルトチルドレン
2022.05.21
こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。
アダルトチルドレン専門心理カウンセラーとして、多くのアダルトチルドレンの方達に心理カウンセリングを提供しながら、アダルトチルドレンに関して非常に多くの誤解があり、それがさらにアダルトチルドレンの方達を苦しめてしまっている事に気づきましたので、正しい情報をここで御提供できればと思います。
アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンという言葉はアメリカで生まれた言葉で、アメリカではアルコール中毒の親に育てられた子どもと定義づけされています。
しかし、日本ではかなり広範囲の意味になり、「子どもの時にニーズを満たしてくれない親に育てられてしまった大人」と定義づけされているようです。
アダルトチルドレンの特徴
代表的なアダルトチルドレンの方の特徴は以下になります。
- 自分を大事にできない
- なかなか断れない
- 自分の事を信じる事が難しい
- 他の人の事を信じるのが難しい
- 人の事を信じられるようになるまでに多くの時間が必要
- 常に緊張状態にいて、リラックスするのが難しい
- 常に不安や心配と隣り合わせ
- 罪悪感に苛まれることが多い
- 他の人が自分に怒っているとよく思う
- 自分は必要とされていないとよく思う
上記の特徴はほんの一部で、他にも非常に多くの特徴があります。
これらの特徴が原因でアダルトチルドレンの方は生きづらさを感じてしまいます。
アダルトチルドレンになってしまう原因
非常に多くのアダルトチルドレンの方々が様々な誤解をされていますが、一番の大きな誤解がアダルトチルドレンになってしまう原因です。日本では、性格は生まれながらに決まっていると考えられていますが、決してそんなことはありません。むしろ、環境も遺伝子と同じくらい影響力が強いのです。つまり、アダルトチルドレンになってしまうのは、親が原因なのです。しかし、日本の精神医療の大幅な遅れ(参考ブログ: 日本でずっと治療を受けているけど、改善されない方へ、日本でずっと治療を受けているけど、改善されない方へ(2)、日本でずっと治療を受けているけど、改善されない方へ(3)子ども編、なぜアメリカのカウンセリング資格を持つ心理カウンセラーからカウンセリングを受けた方が良いのか)のせいで様々な誤情報がインターネットやSNSにあたかも常識かのように溢れかえってしまっているため、その誤解を蔓延させたり助長させてしまっているのが現実です。
アダルトチルドレンと生きづらさ
生きづらさに関して、様々な例が挙げられますが、代表的なものを以下にまとめてみました。
自己肯定感
全てのアダルトチルドレンの方は、自己肯定感に悩んでいらっしゃいます。何をするにしても自分を疑ってしまったり、自分を信じられない、何かを達成しても自信に繋がらない等、自己肯定感の低さが目立ちます。これもまた、親の育てられ方が原因である事がほとんどです。
人間は生まれながらにして自分を肯定できるわけではなく、育ての親が自分の事を肯定してくれて、初めて自己肯定できるようになるのです。しかし、アダルトチルドレンの方は親に肯定してもらえずに育てられているので、自己肯定感が低くなってしまって当然です。
人間関係
ほぼ全てのアダルトチルドレンの方が人間関係で悩みます。極端な場合、人付き合いは疲れるから人を避けるというアダルトチルドレンの方もいらっしゃいます。残念ながら、これもまた育てられ方が原因です。もちろん、人間関係で悩まない人などいませんが、アダルトチルドレンの方の場合、その悩み方や対処法などが問題となりがちです。
人は人間関係の構築の仕方や人との接し方を、一番最初に経験する社会である家族・家庭から学びます。しかし、アダルトチルドレンの方は機能不全家族で育てられています。つまり、家族として心身にとって健康な営みができていないグループしか経験できないまま育てられるのです。そもそも、家族での人間関係が健康的なものでなければ、家族以外の社会で人間関係を上手くいかせられるわけがありません。
自責の念が強い
非常に多くのアダルトチルドレンの方が自分を責めすぎる事で悩みがちです。これもまた、育てられ方に起因します。誰かを犠牲にする事で家族のシステムを成り立たせるのが機能不全家族の特徴の一つです。つまり、その犠牲になる子どもは、家族の問題は自分が原因というメッセージを受け続けます。そのような毎日を過ごさせられれば、自責の念が強くなってしまって当然です。
以上、参考にしていただければ幸いです。
次回もまた、アダルトチルドレンに関してのブログを予定しています。
荒川龍也
カリフォルニア州公認心理カウンセラー